11.高校英語 仮定法
さて、今回まとめる単元は仮定法(仮定法過去、仮定法過去完了)です。こちらの単元も私立の学校だと中3で習うことが多いですね。
仮定法は苦手と感じる人が意外と多い単元の一つなのですが、慣れればそこまでではありません。
この記事を通じて少しでもその苦手意識をなくして頂ければ幸いです。
1.そもそも仮定って?
数学とかでもよくありますよね。n=kで成立すると仮定すると、など、まあとりあえず「仮に定める」のが仮定なんです。
本題に入ります。条件のついた下の二つの文。皆さんはこれらの最大の違いが分かりますか?
a.もし明日晴れれば、買い物に行きます。
b.もし私に羽が生えていれば、君の所まで飛んでいくのになあ。
ヒント:可能性としては…
2.直説法と仮定法
a.もし明日晴れれば、買い物に行きます。
b.もし私に羽が生えていれば、君の所まで飛んでいくのになあ。
そうです。このaの文って起こり得る可能性が十分にあることを仮定していますよね(明日晴れる可能性はある)?
でもbはどうでしょう。bでは「もし私に羽が生えていれば」という現実とは逆のことを仮定しているんです。
aのように、「現実に起こり得る」ことを仮定する文法を直説法(説の字注意!)、bのように「宝くじに当たれば、もし私があなたなら」など、「現在の事実とは違う、あるいは殆ど起こり得ない」ことを仮定する文法を仮定法過去といいます。今回のbは、実際の「羽が生えていない(人間には羽は生えていませんよね?)」に反する、「羽が生えている」ことを仮定するので仮定法過去だとわかりますね。
3.取り敢えず英作してみましょう。
a.もし明日晴れれば、買い物に行きます。
直説法や仮定法の一番シンプルな形では、接続詞ifを使います。
if S Vで、もしSがVすれば、という意味を表します。
ああ、なら簡単じゃん。
If it will be sunny tommrow, I will go shopping.
で完成だ!、と思われた方。残念ながらそうではありません。
「時や条件を表す副詞節(「晴れれば」は「買い物に行く」という動詞を修飾するので副詞)の中では未来のことも現在形で表す」
このルールを忘れやすいので気をつけてください。
今回副詞節では、「もし明日晴れれば」、というように、条件を表していますよね。ということはこの動詞を現在形にしなければなりません。
よって、If it is sunny tommrow〜.が答えとなります。
4.英作の続き
b.もし私に羽が生えていれば、君の所まで飛んでいくのになあ。
問題はこっちなんです。そのまま、
If I have wings, I will fly to you.
にするだけではNGです。
仮定法過去には仮定法過去の表し方があります。
まずは副詞節。副詞節には例え現在のことを仮定する場合であっても動詞は過去形を用います。まあイメージとしては、現実離れしている、だから現在から離れた過去時制を使うとでも思っておいてください。
If I had wings,(if+S+動詞の過去形)
次に主節。主節の方には助動詞の過去形が用いられます(〜するのになあ、ならwillの過去形would、〜出来るのになあ、ならcanの過去形could、〜かもしれないのになあ、ならmayの過去形might…など)。
今回は「〜するのになあ」なので、willの過去形wouldを用います。
したがって、主節は
I would fly to you.(S+助動詞の過去形+動詞の原型)
となります。もちろん、「飛んで行けるのになあ」、ならI could fly to youで構いません。
5.ここが紛らわしいんですよね…
「現在の事実と反することを仮定するんだから、仮定法「過去」はおかしいんじゃないの?」と思われる方も多いのですが、そういうものなんです。
なら仮定するのが過去のことなら、仮定法過去過去とでもいうのかっていうとそれも違います。試しにこの文を英作してみましょう。
「もしあの時2000円持っていれば、その本を買えたのになあ。」
今回の文において、仮定している時間は「あの時」、すなわち過去ですよね。過去の事実「持っていなかった」に反する、「持っていた」を仮定したい。では、それをどうやって表せばいいのでしょうか?
6.仮定法過去完了
もしあの時2000円持っていれば、その本を買えたのになあ。
やり方です。副詞節内に過去完了形を持ってきてください。
If I had had 2,000 yen,
そしてその後。仮定法過去の時は助動詞の過去形+動詞の原型でした。となると過去完了形は助動詞の過去形の過去形…とはならないので、助動詞の過去形+have+動詞の過去分詞形です。
なので、
If I had had 2000 yen, I could have bought the book.
このように、「過去の事実と反することを仮定する」際に使われる文法を「仮定法過去完了」といいます。仮定法過去では現在の事実から離れたことを仮定したのでif節の動詞は過去形でしたが、今回は過去よりもさらに離れた、だから大過去になっちゃったとでも思っておいてください。
過去のことを仮定するので必然的に後悔などを表す文が多くなりますね。
7.では問題です。
以下の文を英作する際、使うべき文法が直説法であればa、仮定法過去であればb、仮定法過去完了であればcと答えてください。
1.もし宝くじに当たったら、あの車を買うのになあ。
2.もし明日暇なら公園に行きます。
3.もしテストに合格していれば、昨日遊んでいただろうになあ。
4.もし人参が嫌いなら、無理して食べなくてもいいですよ。
5.もし私があなたなら彼女の誕生日パーティーに行くよ。
8.答えは…
1.もし宝くじに当たったら、あの車を買うのになあ。
「もし宝くじに当たったら」
確かに起こる可能性はありますが可能性としては低いですよね?起こりうる可能性が低いことを仮定する。仮定法過去が正解です。→b
2.もし明日暇なら公園に行きます。
「暇である」というのは、実際に起こり得る状態ですので直説法を使います。→a
3.もしテストに合格していれば、昨日遊んでいただろうになあ。
「テストに合格している」のは、過去の事実「テストに落ちた」とは反対のことですよね?過去の事実と反することを仮定する。仮定法過去完了です。→c
4.もし人参が嫌いなら、無理して食べなくてもいいですよ。
「人参が嫌いだ」という可能性は大いにあります。よって、直説法を用います。→a
5.もし私があなたなら彼女の誕生日パーティーに行くよ。
「私があなた」というのは現在の事実「わたしはわたし」に反しますから、仮定法過去が正解です。→b
答)b,a,c,a,b
9.これがややこしいんですよね…
この空欄に当てはまる語句を答えてみてください。
もし7時のバスに乗っていたら、今頃はここにいるのに。
If I had taken the 7 o'clock bus, I ( ) be here.
10.仮定法過去完了+仮定法過去の形-1
If I had taken the 7 o'clock bus, I ( ) be here.
おそらく、「副詞節が仮定法過去完了の形をしているから、would've(would haveの省略形)だな」
と考えた方もいると思います。でも、仮定法過去完了の主節は「〜だったのに」と、過去のニュアンスですよね?しかし今回は「いるのに」と現在のニュアンス。ということはwould haveの形はふさわしくないんですね。
「もし〜ならば、〜なのに」と、現在のことを表したい。その時にはどうすればよかったでしょうか?
11.仮定法過去完了+仮定法過去の形-2
そうですね。仮定法過去を使えば良かったんです。
ということはもう簡単。
If I had taken the 7 o'clock bus, I ( ) be here.
主節の部分は助動詞+動詞の原型。ですのでwouldが正解となります。
この仮定法過去完了+仮定法過去の形、間違えないでくださいね。
ちなみにこの形のことを混合仮定法といいます。
12.今回はここまでです。
この後も仮定法の単元では、shouldを用いたものや倒置を起こすものなどが出てきます。
その時につまづいてしまわないためにも、今のうちにしっかりと復習しておいてくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました!
0コメント